祭りの案内人のマイスター

マイスター:朝野豊和 祭りの案内人

昭和29年に大町に生まれ育ち、都会で大学、専門学校、研修生活を送る。28歳で大町に朝野整骨院を開業、堀六日町舞台の囃子にかかわりながら、地元の祭りの魅力を再発見する。町内の囃子演奏のかたわら、大町舞台囃子保存会で舞台の調査研究、子ども囃子育成に携わる。「祭りは小さい子どもからお年寄りまでが楽しめる総合文化であり、人生のハレの日である。」と言う。「ただ見物するだけではなく、かかわる楽しさを共有しながら町づくり、人づくりができたらいいですね」と語っている。

大町の秋祭り(2 平地区の木崎舞台)

木崎地区の秋祭りは、9月の第2土日に、国道のJAを西に入り、旧道と交差した先にある稲荷神社でおこなわれます。イナリは稲生り(いねなり)が縮まったものといわれ、本来は稲作の守護神でしたが、やがて農業神としても商工業の守護神としても祀られています。
ここの舞台は彫刻が多いのが特徴で、車輪覆いや持送りもあり、彫刻が施されています。階上には大きな大黒様が飾られています。舞台天井裏には細工請負人、大世話人の名と明治二十一年八月の墨書があるとのこと、当時の建造と思われます。

祭りの朝、神社近くの舞台庫から出された舞台は、仁科十三番札所である三橋堂に置かれます。夜になって旧道を舞台が巡行しますが、子どもたちは階上に乗せてもらい若連の神楽が続きます。
街路灯の少ない暗い道を、提灯の明かりだけで進みます。囃子の音が黄金色に広がる闇の中に吸い込まれ、昔から変わらぬ巡行風景に、時が過去と重なったような錯覚すら覚えます。
やがて、境内では獅子舞が披露され、境内には談笑する人たちで賑わいます。
舞台囃子は四曲あり、若連を卒業した壮年グループが担当しています。
息子は獅子舞、親父は舞台囃子といった、心なごむ情景に出会うことができます。