祭りの案内人のマイスター

マイスター:朝野豊和 祭りの案内人

昭和29年に大町に生まれ育ち、都会で大学、専門学校、研修生活を送る。28歳で大町に朝野整骨院を開業、堀六日町舞台の囃子にかかわりながら、地元の祭りの魅力を再発見する。町内の囃子演奏のかたわら、大町舞台囃子保存会で舞台の調査研究、子ども囃子育成に携わる。「祭りは小さい子どもからお年寄りまでが楽しめる総合文化であり、人生のハレの日である。」と言う。「ただ見物するだけではなく、かかわる楽しさを共有しながら町づくり、人づくりができたらいいですね」と語っている。

大町の秋祭り(18 美麻・大塩地区の東組舞台)


大町市街から急登のまむし坂を越え、金熊川の流れと交わるところに大塩地区があります。大塩地区は百世帯ほどですが、中組、南組、東組、北組の四地区(組とも村ともいう)に舞台があります。氏神様が祀られる富士浅間神社は、平安前期の貞観9年(867)に駿河国大宮浅間社より勧請されたと伝えられ、大きな回り舞台を持つ元禄年間建立の神楽殿があり、江戸末期からの大小の絵馬二十数面が伝えられています。

この地区の四台の舞台は新行舞台と同じ二階建て二輪構造です。かつては、秋祭りに四台の舞台が一堂に巡行したとのことですが、現在は人口減少や財政的なこともあり、輪番にて年に一台ずつの巡行となっています。悪天候の場合には祭礼は中止されるとのことで、全てを見るには最低でも四年を要します。こうした事情は隣接の二重地区四台の舞台でも同様です。

東組舞台は県道大町川口線と神社への道が交わる大黒前の交差点を、川口方面に進み、しばらく行った県道端の舞台庫に納められています。朱塗りの階上柱が美しく、彫刻飾りも多く、代々手入れをしてきた様子が分かります。長く垂らされた提灯飾りは大町地区とは様式が違いますが、二輪舞台の前後の揺れに合わせて揺れる姿は美しく、山間の地と相俟って幻想的です。

夕闇の中、舞台は大黒前交差点で各地区の役員との挨拶を交わして神社へと向かいます。神社境内では若者たちが催す屋台や演芸の準備も整い、賑わいの中に提灯を揺らしながら舞台は境内へと入っていきます。

年も改まり、今年は今回紹介した東組舞台が出番となります。そして、まだ紹介していませんが、隣接している二重地区(水上神社)では元之関舞台が見られます。寒い日が続きますが、神社では節分祭の準備が進んでいます。年々盛大になる王子神社へも是非お出かけください。

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