祭りの案内人のマイスター

マイスター:朝野豊和 祭りの案内人

昭和29年に大町に生まれ育ち、都会で大学、専門学校、研修生活を送る。28歳で大町に朝野整骨院を開業、堀六日町舞台の囃子にかかわりながら、地元の祭りの魅力を再発見する。町内の囃子演奏のかたわら、大町舞台囃子保存会で舞台の調査研究、子ども囃子育成に携わる。「祭りは小さい子どもからお年寄りまでが楽しめる総合文化であり、人生のハレの日である。」と言う。「ただ見物するだけではなく、かかわる楽しさを共有しながら町づくり、人づくりができたらいいですね」と語っている。

大町の秋祭り(17 美麻地区の新行舞台)


旧美麻村には多くの舞台が残されていますが、まずは新行の舞台から紹介します。新行は戸数約50件の集落ですが、大町から長野方面の街道筋として大町市街からも比較的近く、かつてはスキー場、現在では蕎麦で名が知られるようになり、毎年10月10日から20日に開催される新行蕎麦祭りには、新蕎麦を求めて大勢の人達で賑わいます。

集落の北端には、氏神様の祀られた戴神社があります。神社の直ぐ下の道路を隔てて公民館があり、舞台は祭りの前にそこで飾られます。新行公民館はお堂のような特異な建物で、かつては大町の八日町にあった仁科四番札所である西岸寺の本堂を移築したもので、館内には須弥壇も残されています。

舞台は大町の舞台と類似した二階建て構造の松本型の舞台で、美麻特有の階上回りに角型灯籠があり、更に提灯で飾られます。彫刻は白木のものが多く、豪華とは言えませんが階下回りに数多く見られます。車輪は二輪構造となっており、狭い山道や、神社境内への坂道に対応した構造となっています。

祭礼には、今ではすっかり新行のシンボルとなった水車小屋近くの交差点まで舞台は曳かれ、戻ってきます。舞台を見学させていただいていると、囃子の笛の音が公民館の中から聞こえてきました。美麻地区では、かつての囃子をテープで流している舞台もありますが、ここでは生の演奏が行われていて、曲数は多くありませんが、神楽囃子の影響を受けていると思われる囃子が、祭りの始まりを告げているように感じました。

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