自然観察人のマイスター

マイスター:鹿田敏彦 自然観察人

高瀬の森でカフェギャラリーと温泉付き貸別荘 「ベルヴィル」を経営するかたわら、安曇野を中心に花、動物など自然風景の写真を撮影。観光リポーター、「広報おおまち」市民記者などとして、四季を通じた美しい大町市の風物を市内外に向けて情報発信されている。

「市の鳥」ライチョウ

04.jpg日本アルプスの中で、2,000メートル以上の高山にのみ生息し、国の特別天然記念物に指定されています。"ゴロゴロ"と鳴くことから、"雷鳥"と名付けられたといわれています。
キジやヤマドリと同じ仲間なので、飛翔はあまり得意でなく、天敵から身を守るために、夏の雄は黒褐色、雌は茶褐色、冬は純白とみごとに衣替えします。この写真は、昨年の8月初旬、爺ガ岳中峰付近で見かけた雌です。子どもの行動を少し離れて見守っていました。

ライチョウについてちょっと調べてみたら、こんな文章をみつけました。

奇跡の鳥 雷鳥(日本ライチョウ友の会・雲上の羽根代表:森 勝彦氏)

100万年もの昔の氷河期から生き長らえ、自然環境の変化にたくましく適応してきた反面、近年の人為的な環境変化には大変弱く、絶滅が心配されている鳥がいる。なんたる皮肉であろうか。
その名前は雷鳥。別名ニッポンライチョウともいう日本固有種であり、その数わずか3000羽である。
中部山岳の高山帯にのみ生息している彼等は、かつて北極圏に生息していた。その後、生息域を日本付近まで拡大南下させたが、後氷期に気候が温暖になるにしたがい高山に取り残されてしまうわけだが、今なお現在に生きつづけているという訳だ。その大自然への適応力と生命力の
裏には、驚くべき知恵にあふれた生態が隠されており、まさに奇跡の鳥。

雷鳥の天敵はおもにワシやタカであるが、その捕食者に対しては全くの無力だ。しかし、彼等の体は羽根の生え変わりによる保護色により守られている。冬の間は純白のマントを身にまとい、夏が来ると全身まだら模様の羽毛となり、再び冬が訪れるとまた神聖なる純白の鳥となる。
その変わりようは見事としかいいようがない。また、天敵をおそれ、雨や霧などの視界の悪い日を好んで行動しており、その習性から雷の鳥、雷鳥と名がついたという話しもある。

驚くべき生態はそれだけではない。氷点下20℃以下にもなる冬の高山帯の中において、雪と同化しながら生きている姿は神秘的である。雪のブリザードの中、登山家も同じくするように雪洞を掘り、身を隠してしのいでいるのである。雪に埋もれクチバシまでが凍りついてしまっていたりもするが、それでも生きているというのは凄い。実は雪の中の方が外気温よりはるかに高いことを彼等は知っているのだ。

近年、かつてない速度で生物が絶滅を続ける中、雷鳥も例外とは言えないかもしれない。
聖域であったはずの高山の開発が進み、多くの人が入山する昨今、雷鳥の生息域が減りつつある。また、最近問題視されている急激な地球温暖化に対して、雷鳥のエサとなる高山植物はそれに適応できないとも言われている。雷鳥にとっても崖っぷち、もはや移動のしようもないのだ。
彼等の未来は全て、今後の私達の生き方にゆだねられているようである。当然、私達の未来もそうであるかのように。今こそかつての、ある意味競争的原理から調和と協調にもとづく大自然の原理に返るときではないだろうか。そうした視野に立ち環境等を考えた時、雷鳥とともに明るい未来が開けるのではないだろうか。


上原のストーン・サークルと蓮華岳


02.jpg「上原」と書いて「わっぱら」と読みます。うえはら=うわっぱら=わっぱら。かな?(^^;
「長野県史跡 上原遺跡 配石跡」というのが、我が家からそれほど遠くない段丘上にあります。
これは、縄文時代前期中葉(約5000年前)の遺跡で、いわゆるストーン・サークルですが、近くには集落跡もあり、1950年から3年にわたって発掘調査が行われたようです。
この遺跡にもかかわる、以下のようなお話を載せましたが、改めて載せます。
カムナビは「神奈備」と書き、岩波古語辞典によると「神が天から降りて来る場所として信仰された山や森」のことなのだそうです。

以下は、「蓮華岳=カムナビ」についての、大町市文化財センターの相澤亮平氏の考察の要約です。

カムナビは、集落から常日頃眺められ、そこに住む人々の心の拠り所であり、周辺地域の住民に崇拝される人里近くの霊山で、麓にも神社を祀り、山容は、こんもりと緑の樹に覆われたお椀を伏せたような、あるいは○○富士と呼ばれるような優美な形をした山だそうです。

蓮華岳は、町の真西正面中央に鎮座し、左右に稜線を連ねる山々を屏風・衝立にして従え、すっくと中央に正座し、町に正対している感じです。さらに、両脇から籠川・高瀬川・鹿島川の三川が流れ出て、山裾に西方浄土への入り口・聖なる祭壇の丘を形成しています。
また、山頂には若一王子神社の奥宮があり、麓には荘厳な若一王子神社が鎮座しています。
相澤氏は、こうした諸条件が「蓮華岳=カムナビ」であることを示しているとおっしゃり、更に「大昔、上原の縄文人達は山頂の神の降臨を祈ってストーン・サークルを構築したのかもしれない」と、古代のロマンに思いを馳せておられます。


05.jpg最後にカモシカの記事の写真を添付します。