杜氏のマイスター

マイスター:松浦宏行 杜氏

昭和48年生まれ。石川県出身。大学卒業後、日本酒づくりを志し、東広島市の醸造研究所(現・酒類総合研究所)にて研修、平成11年より㈱薄井商店に入社。小谷杜氏・丸山陸栄氏の下で小谷流の清酒造りを学ぶ。平成19年より杜氏に就任。
「日本酒は、特別な日の酒ではなく、マニアのためのものでもありません。日常的に食卓で楽しんでいただけるものです。和洋問わず、どんなお料理でもあわせられます。毎日のご飯のお供に飲んでいただける酒を目指して、日々お酒を造っております。」と、松浦杜氏は語ってます。

大町の風土を生かした酒造り その1 雪中埋蔵

北アルプス山麓で水に恵まれた大町では、造り酒屋が3軒あります。それぞれに大町の風土を生かした個性的な酒造りを行なっています。  

ところで、お酒を雪の中に埋めておくと、どうなると思いますか?

大町市では、冬の大雪を生かした酒造りをしようと、雪の中で、しぼりたての新酒を熟成させる「雪中埋蔵」を15年前から行っています。

雪の中は、約0℃~1℃。一定の温度の中で貯蔵されると、生酒に含まれる酵素がほどよく働き、フレッシュさを保ちながら、まろやかに仕上がります。

今年、新酒が搾られたのは、1月の中旬。新酒としての美味しさもありますが、やや粗さが残ります。
1月28日、予め7メートル四方、深さ2メートルくらいの穴を掘っておいたところへ、一升瓶で約4,000本を8本入りのケースで積み上げ、雪をかぶせていきます。地上6メートルの雪の山。遮光シートと断熱シートをかけ、溶けないようにしますが、4ヶ月の間に3メートルくらいまで小さくなります。夏のように暑い日や雨の日も風の日も心配ですが、我々としてはひたすら見守るしかありません。
5月24日、重機を使って雪を掻き分け、クレーンで20ケースずつ吊り上げ、会社へトラック輸送します。6月上旬、瓶詰め出荷します。
飲んでみると、新酒の荒々しさがとれ、やわらかい甘味が広がります。毎年のことですが、埋めたときとはがらりと変わっていました。心配無用、お酒はしっかりと育っていました。

日本酒は、生き物です。大町で生まれ、育ったお酒たち。味わってみませんか?
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